お砂糖の製法

論より証拠

●お砂糖の製法

(1) 原料糖(粗糖)
 甘蔗糖(さとうきび糖)の生産地は、熱帯あるいは亜熱帯に属しており、歴史的に見るとおおむね大消費地から離れていました。
 そのため甘蔗(かんしょ)生産地では、原料の甘蔗からショ糖分を結晶として取り出し、変質しにくく、貯蔵や輸送が容易な原料糖(粗糖)に製造されるのが一般的です。
 原料糖(粗糖)は消費地に送られ、精製糖の原料となります。原料糖(粗糖)の製造では、まず甘蔗の栽培地の近くにある製糖工場に搬入された甘蔗を小さく切り砕いて、汁をしぼります。この清浄汁を煮詰めて結晶をつくり、遠心分離機で蜜と結晶に振り分けます。取り出した結晶が「原料糖(粗糖)」です。原料糖(粗糖)は、中間製品として製造されるので、精製度合いは低く、さとうきびのミネラル成分などが残ってますが、そのままでは不純物も多く、衛生的ではないので精製が必要です。

(2) 精製糖(白砂糖など)の製造
 消費地にある精製糖工場に運ばれた原料糖(粗糖)は、食用に適するように精製され、精製糖製品(上白糖、グラニュー糖、三温糖など)として消費者に届けられます。精製糖の製造では、原料糖(粗糖)に蜜を混ぜ、加熱しながら攪拌し、結晶の表面に付着している不純物を蜜に溶かした後、遠心分離機で蜜と結晶に振り分けます。さらに、この不純物を除いた液を活性炭や骨炭、あるいはイオン交換樹脂などで、念入りに清浄すると糖液は無色透明になります。よく白砂糖は漂白していると思われますが、漂白はしておりません。
 真空結晶缶という装置で、この液を煮詰めて結晶を生じさせ、遠心分離機にかけ、結晶と蜜分に分けて、取り出したものがグラニュー糖や上白糖のような高品質の精製糖(白砂糖)です。 残った蜜には、まだかなりのショ糖(お砂糖)が残っているので、煮つめてさらに結晶を取り出す工程を繰り返し、三温糖を取り出します。そして、これ以上経済的に砂糖を取り出すことが困難になった蜜が最終糖蜜(廃糖蜜)です。よく三温糖は精製前のミネラル成分が残存したお砂糖と思われておりますが、実はその逆で、煮詰める過程で着色、あるいはグラニュ糖にカラメルを添加したものが三温糖です。

▲ページトップへ